3-7. アミノ酸,ペプチド,タンパク質
https://gyazo.com/c46126ed3d416a19ff66aa9dd02da825
https://amzn.to/2I6DMZu
1) アミノ酸
構造
アミノ酸(amino acid)
アミノ基($ \mathrm{-NH_2})とカルボキシ基($ \mathrm{-COOH})をもつ有機物
その最も重要な役割は、タンパク質の成分となること
タンパク質を構成するアミノ酸は20種類のみ
そのいずれもがカルボキシ基がついている炭素(α炭素という)にアミノ基を持つ
α炭素はこのほかに水素とそれぞれのアミノ酸に特有な原子団である側鎖をもつ
性質
アミノ酸は水中でアミノ基やカルボキシ基が電離し、それぞれ正(電子を失う)と負(電子を得る)に電気を帯びる
https://gyazo.com/30b6607118a98350b68c22e43f10ca9f
等電点
正と負の電気量(電荷)がつりあうpH
アミノ酸により異なり、アミノ酸を正に荷電しやすい塩基性アミノ酸と負に荷電しやすい酸性アミノ酸に分けることができる
アミノ酸には親水性のものと疎水性のものが存在する
このように、アミノ酸は分子の大きさ、電気的性質、親水性がすべて異なるが、この特徴はそのままタンパク質にも反映され、タンパク質を等電点の違いで分離することができる(二次的電気泳動法)
2) ペプチド結合
$ \mathrm A_1と$ \mathrm A_2の2個のアミノ酸があったとき、$ \mathrm A_1のカルボキシ基と$ \mathrm A_2のアミノ基の間で両者が共有結合することができる
この時の結合形式をペプチド結合という
https://gyazo.com/0a7a29751a27e573e50251dfcd57f2d4
この反応が$ \mathrm{A_3, A_4\cdots}と続くことにより分子が延びる
重合反応はアミノ末端(N末端)からカルボキシ末端(C末端)に向かって起こる
この反応の進行方向は細胞内でも同じ
アミノ酸が少数(2~20個程度)連結したものをオリゴペプチド(あるいは単にペプチド)、それ以上長いものをポリペプチドという
3) タンパク質
タンパク質(protein)
ポリペプチドの鎖が機能をもつように正しい立体構造をとったもの
タンパク質の高次構造
https://gyazo.com/19a27c88dd4e5f8d62f6597e8893e128
二次構造
タンパク質中のペプチド鎖はアミノ酸配列によりらせん構造(αヘリックス)やヒダ状構造(βシート)をとる
三次構造
ペプチド鎖はさらに、種々の弱い結合力や、システイン側鎖間のジスルフィド結合(SS結合)により、中心部に疎水性部分を集めて折り畳まれた球状の形をとる
四次構造(サブユニット構造)
三次構造をとった複数のタンパク質(サブユニット)がゆるく結合した状態
タンパク質の変性
タンパク質の高次構造が壊れてタンパク質が活性を失った状態
memo: タンパク質の折り畳みを行うタンパク質
細胞にはシャペロンやシャペロニンとよばれる、ポリペプチド鎖を正しく折り畳ませるタンパク質因子が存在する
遺伝子工学的に細胞内に大量のタンパク質を発現させると、それらが正しく折り畳まれないために不溶化することがあるが、シャペロニン(e.g. 大腸菌のGroEL)を同時に発現させることで不溶化が防止できる